猫がごはんを隠すようなしぐさをする理由
おーい猫さーん こっちむいてーは猫の飼い方や豆知識など猫に関する情報を発信しています。
今回は猫がごはんを隠すようなしぐさをする理由についての記事になります。
もくじ
猫がごはんを隠すしぐさとは?
猫が食事のあとに前足で床をカリカリと掻いたり、食器の周りを引っかくような動きをする姿を見たことはありませんか。
まるでごはんを土の中に隠しているように見えるこの行動は、多くの飼い主さんが「なんでこんなことをするのだろう?」と不思議に思うポイントです。
実際には床に何かをかけているわけではありませんが、隠すように見えるこのしぐさには猫ならではの理由があります。
本能的な「貯蔵」の習性
猫がごはんを隠すようなしぐさをする大きな理由のひとつが、野生時代の本能の名残です。
野生の猫は、一度に仕留めた獲物をすべて食べ切れるわけではありません。
お腹がいっぱいになると、残りを安全な場所に隠しておき、あとで食べるために保存する習性がありました。
この行動は「キャッシング」と呼ばれ、肉食動物に広く見られる特徴です。
家の中で暮らす猫は実際に土に隠す必要はありませんが、同じように床を掻いたり、食器の周囲を覆うような仕草をして「隠しているつもり」になっているのです。
匂いを消して身を守るため
野生では食べ残しの匂いが外に漂うと、天敵や他の動物に居場所を知られてしまうリスクがありました。
そこで猫は本能的に食べ残しを隠したり、周囲を覆う動作をして匂いを消そうとします。
室内で暮らす猫にとっては天敵の心配はありませんが、本能は強く残っているため「安全のために隠す」行動をするのです。
これは野生の名残りであり、猫が持つ生き抜くための知恵といえるでしょう。
お腹がいっぱいのサイン
猫がごはんを隠すようなしぐさを見せるのは「今はもうお腹いっぱい」というサインでもあります。
あとで食べるつもりで一旦残していると考えられます。実際にしばらく時間を置いたあと、残した分を再び食べに戻ってくる猫も多くいます。
もし毎回ごはんを残して隠す仕草をする場合は、与えている量が少し多いのかもしれません。逆に全く食べようとせず隠すだけのときは、体調不良やフードが合っていないサインである可能性もあるため注意が必要です。
多頭飼いならではの行動
多頭飼いをしている家庭では、他の猫に食べられないようにごはんを隠すしぐさをすることもあります。
食べ残しを守るために前足で床をかいたり、食器の周りを覆う動作を繰り返すのです。
猫にとっては競争の意識からくる自然な行動ですが、放置するとフードの取り合いやストレスの原因にもなります。
多頭飼いではそれぞれの猫に食事スペースを分けてあげると安心です。
ストレスや環境の影響も
本能以外にも、環境の変化やストレスが原因で隠す行動が出る場合があります。
引っ越し直後や新しい家族が増えたとき、フードや食器を変えたときなどに「不安から隠す」行動をする猫もいます。
猫は変化に敏感な生き物なので、落ち着ける環境を整えてあげることが大切です。
飼い主ができる工夫
猫がごはんを隠すようなしぐさをしたとき、無理にやめさせる必要はありません。
ただし以下の点に気をつけるとより快適に過ごせます。
- 食事量を適切に調整する
- 多頭飼いの場合は食事スペースを分ける
- 食器は安定したものを選び、清潔に保つ
- ストレスの少ない落ち着いた場所で食事をさせる
猫にとって安心して食事ができる環境を整えることが、行動を落ち着ける一番のポイントです。
とらさんの隠しごはんエピソード
我が家の猫さん「とらさん」も、お腹がいっぱいになるとよく床をカリカリして隠すしぐさをします。
最初は「嫌いなのかな?」と心配しましたが、時間を置くと残りを食べていることが多くありました。
どうやら「あとで食べるからここに置いておくね」という気持ちだったようです。
いまではその姿を見ると「今日も満足したんだな」と微笑ましく感じるようになりました。
まとめ
猫がごはんを隠すようなしぐさは野生の本能の名残 – 食べ残しの匂いを消す、防衛本能としての役割がある – お腹がいっぱいのサインや、あとで食べるための行動でもある – 多頭飼いでは食べ物を守るための行動につながる – 環境の変化やストレスが原因になることもある
猫が見せるちょっと不思議なしぐさには、必ず理由があります。ごはんを隠す行動は自然な本能の表れであり、決して悪いことではありません。大切なのはその行動を理解して、安心して暮らせる環境を用意してあげることです。